食中毒予防

個人衛生(3)

【正しい手洗い】 『食品衛生は、手洗いにはじまり手洗いに終わる』と、言われるぐらい重要項目です。 正しい手洗いにより食中毒の80%は防止できます。【手指の洗浄・消毒】 ・作業の開始前に ・作業中も必要に応じてその時々に (細菌に汚染されていると…

個人衛生(2)

【身だしなみのチェック】 ・つめ つめは短く切って、マニキュア等はしないようにすること。 マニキュアは、油・脂肪・アルコール等で溶けて取れ、商品を汚します。・頭髪 調理や加工に従事している者は、帽子を被るのは当然として、帽子を被るのも、頭髪が…

個人衛生(1)

個人衛生とは、従業員自身が商品を汚さないようにするために、自分の身の回りに注意することをいいます。 そのために、作業にあたって特に重要なことは、次の事項になります。1)健康のチェック 2)身だしなみのチェック 3)正しい手洗いこの3項目が、個…

その他食品取扱い上の注意事項(3) 製品の温度管理上の注意

【製品の温度管理上の注意】・焼き物・焚き物など火を通した物で、調理後一旦冷却保存する場合は、細菌の増殖に最適な温度帯(50度〜7度)を素早く通り過ぎるように冷却しましょう。・食品加熱の条件は、食品の中心温度を70度で2分以上保持することが…

その他食品取扱い上の注意事項(2) 食品取扱いの10個条

【食品取扱いの10箇条】 1)店舗・バックルーム・厨房等の作業場、冷蔵庫・冷凍庫・常温保管庫等は、いつも清潔にしておきましょう。 2)機械・器具などの洗浄・消毒は十分に行いましょう。 3)整理・整頓・定位置管理を徹底しましょう。 4)身体に異…

その他食品取扱い上の注意事項(1)

【異物混入防止】 食品に異物が混入する可能性は、原材料や素材の段階から、製造・調理・加工・保管・流通にいたるまで、それぞれに潜在的に存在します。 食品の異物の種類や量は、その食品の調理・加工工程(製造工程)などの衛生状態を映し出していると言…

食品取扱いの3原則(7)

【細菌(大腸菌)の分裂時間と温度】 初菌数1個からの個数変化〔温度10度の場合〕 分裂時間・・・・・300分 5時間後・・・・・2個 10時間後・・・4個 〔温度20度の場合〕 分裂時間・・・・・60分 5時間後・・・・・32個 10時間後・・・1024個 〔温度30度の場…

食品取扱いの3原則(6)

【加熱・冷却】 温度管理の徹底により、細菌の増えるのを抑え(又は死滅し)、鮮度管理も行いましょう。 〔対策〕 細菌に活動しやすい温度を与えないようにしましょう。・加熱し、細菌を死滅させましょう。 細菌は、一般に高い温度を長い時間保持することで…

食品取扱いの3原則(5)

【迅速−対策】 細菌に増殖する時間を与えないようにしましょう。 ・捌き・盛付け・包装等、調理や加工などは手早くしましょう。 ・調理や加工素材(原料)は、計画的に仕入れ、『先入れ・先出し』による調理・加工をしましょう。 ・時間帯別の販売計画をたて…

食品取扱いの3原則(4)

【迅速】 食中毒細菌は、『水分・温度・栄養』等の好条件が揃うと、わずかな時間でも驚くほど増殖します。 従って、調理・加工は迅速に行う必要があります。〔食中毒菌の増殖例〕 細菌の増殖の仕方は、細菌『1個が2個』、『2個が4個』、『4個が8個』と…

食品取扱いの3原則(3)

【清潔のメリット】 ・品質の保持 ・食中毒の防止 ・ロスの減少 ・安全性のアピール ・異物混入の減少 ・ネズミ・ゴキブリの減少 ・悪臭・異臭の減少 ・火災・労災事故の減少 ・作業効率(作業能率)の向上 提供:株式会社M&Mコンサルティング(06-6609-2…

食品取扱いの3原則(2)

【清潔】 清潔とは、『見た目のきれいさ』だけでなく、微生物(細菌やカビなど)によって汚染されていない状態をいいます。 清潔は『衛生の基本』です。 衛生的で安全な食品は、清潔な材料をもとにして・清潔なところで・清潔な器具や道具・清潔な人により・…

細菌の性質を知る(4) PH(ペーハー)の影響

【PH(ペーハー)の影響】 大部分の細菌の最も増殖・生存しやすい環境のPHは、PH 7.2〜 7.6の弱アルカリ性の領域です。 また、多くの細菌が増殖や生存ができるPHは、5〜9の範囲内です。 提供:株式会社M&Mコンサルティング(06-6609-2671) Mai…

食品取扱いの3原則(1)

【食品取扱いの3原則】 食品の取扱いにあたっては、細菌の活動を抑え、有害物を持ち込まないことが必要です。 この食品の衛生的な取扱いには、3つの基本原則があります。1)清潔・・・食品に細菌や有害物を付けない 2)迅速・・・細菌に増える時間を与えない …

細菌の性質を知る(3) 腐敗について

【腐敗について】 腐敗細菌が増殖、食品の成分を分解し、食品の価値を無くす事を『腐敗』といいます。 特に、蛋白質を多く含む豆腐や厚揚げ類が、腐敗により、異味やネト、悪臭発生等の原因になります。 蛋白質の変質を『腐敗』といい、澱粉質は『発酵』、脂…

細菌の性質を知る(2) 細菌が育成するための3要素

【細菌が育成するための3要素】 ※栄養・・・人間に栄養となるもの(食品)は、細菌にも栄養となります。 ※水分・・・食品中の水分を利用して増えます。50%以下では発育が阻害され、20%以下では発育できません。 ※温度・・・36度前後(人間の体温付近)で最も…

細菌の性質を知る(1)

☆細菌の大きさは1ミリメートルの1,000分の1前後(針の先に数百程度)です。☆食中毒菌は、腐敗菌(食品を腐らす細菌)と違い、食中毒を起こすだけの菌数(菌量)が食品にあっても、食品の概観・色・味・臭いの変化が感じられない場合が殆どです。☆食中…

主な細菌性食中毒の要点(6) セレウス菌

【セレウス菌】 〔感染元〕 嘔吐型・・・米飯・焼き飯・パスタ(スパゲティ) 下痢型・・・食肉製品・スープ・野菜・プリン 〔特徴〕 容易に芽胞を形成し、芽胞は熱に強い 〔症状〕 嘔吐型・・・吐き気・嘔吐 下痢型・・・腹痛・下痢・嘔吐 〔潜伏時間〕 嘔吐型・・・1〜5…

主な細菌性食中毒の要点(5) 病原性大腸菌

【病原性大腸菌】 〔感染元〕 分布が家畜・ペット・健康人や自然環境にまで及んでいるため原因食品は多岐にわたる 〔特徴〕 何によって発症するか分からないほど、多岐にわたった感染源を持つ 〔症状〕 下痢・腹痛・吐き気・嘔吐・発熱 〔潜伏時間〕 8〜2…

主な細菌性食中毒の要点(4) カンピロバクター

【カンピロバクター】 〔感染元〕 食肉(鶏・鳥・豚・牛)ペット(犬)等から、食品・飲料水への2次汚染 〔特徴〕 この菌により汚染された食品及び水から人に感染するものと考えられている。少量の菌で発症することがある。 〔症状〕 下痢・腹痛・吐き気・…

主な細菌性食中毒の要点(3) ブドウ球菌

【ブドウ球菌】 〔感染元〕 主に穀類の加工品、菓子類 〔特徴〕 人や動物の化膿巣や鼻咽喉等に広く分布する。食品中で産出される毒素は熱に強い。 〔症状〕 吐き気・嘔吐・下痢・腹痛 〔潜伏時間〕 30分〜6時間 〔予防〕 ・化膿巣のある者の調理取り扱い…

主な細菌性食中毒の要点(2) 腸炎ビブリオ

【腸炎ビブリオ】 〔感染元〕 海産性の生鮮魚介類及びその加工品、2次的汚染食品(主に塩分のあるもの) 〔特徴〕 好塩性を有し、塩分2〜5%でよく発育する。真水に弱い。 〔症状〕 下痢・腹痛・吐き気・嘔吐・発熱 〔潜伏期間〕 8〜24時間 〔予防〕 …

主な細菌性食中毒の要点(1) サルモネラ

【サルモネラ】 〔感染元〕 肉・卵類及びその加工品、調理器具等から汚染された食品 〔特徴〕 人や動物に広く分布している細菌群で、ネズミ・ハエ・ゴキブリやペット類も汚染源 〔症状〕 下痢・腹痛・発熱・頭痛・吐き気・嘔吐 〔潜伏時間〕 6〜72時間 〔…

食中毒に関する基礎知識(4) 病原性大腸菌O-157

【病原性大腸菌O-157】 大腸菌は、健康な人の腸にも存在する細菌です。しかし、1996年に全国各地で集団食中毒として猛威をふるい、多数の死者を出した菌は、『病原性大腸菌O-157』として別に分類されています。この菌による下痢は、はじめは腹痛を伴う水溶性…

食中毒に関する基礎知識(3) 細菌性食中毒

【細菌性食中毒】 〔感染型〕 生きた細菌を食品とともに摂取することにより発生します。〔毒素型〕 食品中に産出された毒素により起こります。細菌は死んでも毒素は残り、その毒素により食中毒になります。〔中間型〕感染型と毒素型の両方のタイプがあります…

食中毒に関する基礎知識(2) 食中毒の分類

【食中毒の分類】 食中毒は、その原因になったもの(原因物質)によって、次のように分類されます。その内、約90%は細菌性食中毒です。〔細菌性〕 感染型:病原性大腸菌・サルモネラ・腸炎ビブリオ・カンピロバクター等 毒素型:ブドウ球菌・ボツリヌス菌…

食中毒に関する基礎知識(1) 食中毒とは

今日、大阪はムシムシした雨の日です。もうすぐ6月、梅雨の時期を迎えようとしています。 いつの季節でも年中、食中毒は起こるのですが、これからの季節、注意していただければ思い、私が20代の頃に作成し、飲食店で講義していた資料を、ブログ用に直して…